大弛峠・信州・草津ツーリング 2006年6月24・25日 |
梅雨ではあるが関東地方は雨雲の勢いは弱いようでこの週末はあまり雨の心配は無さそう。 それではと言う事で土曜日の朝、一泊ツーリングに出かける事を急遽決めて行き先を検討。 アヴェニスで悲惨な思いをした川上牧丘林道にトランザルプでリベンジを果たし、軽井沢から草津に出るルートを 選択した。 ネットで草津の民宿に予約を入れて今回はキャンプではないので身軽な荷物で出発。 自宅−国道1号−環状8号−国道20号−中央道(調布インター)−中央道(勝沼インター)から塩山に入りクリスタルラインを 目指す。 いつも素通りしていた恵林寺に今回は寄って見よう。 まだ午前10時なので人影もまばら。 戦国時代天下を伺おうかという勢いがあった甲斐武田氏がこの地で終焉を迎えたことで知られている。 山門に火をかけられながら「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言いながら快川和尚が炎に包まれた故事は小説・映画でも いろいろ描かれている。 寺の一角に先代の住職の像があり、地元のおばあちゃんが住職さんの思い出をいろいろと話してくれた。 その住職は現在は京都の寺でご健在のようだ。 |
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武田家の菩提寺 恵林寺 |
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この日のツーリングも上々の天気でスタート |
三門 安禅不必須山水 滅却必頭火自涼 信長の火攻めで壮絶な最後を遂げた 快川和尚の有名な言葉が掲げられている |
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恵林寺 | ![]() |
開山堂 恵林寺は1330年、夢想国師によって開かれ 武田信玄が菩提寺と定めた臨済宗妙心寺派 の古刹で、徳川家康によって再建されその後 柳沢吉保が法要と修復を行った |
夢想国師築庭の池泉回遊式庭園 国指定名勝 夢想国師はこのあと西芳寺、天竜寺の庭園を |
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恵林寺を見学し終えて、もう走りなれた感のある クリスタルラインに向かう杣口林道に入る。 柳平から川上牧丘林道に入り標高2360mの大弛 峠まで一気に上っていく。 トランザルプの力強いトルクが心強い。 完全舗装の山梨県側の道路は道幅もあり走りやすく 難無く峠まで到着。 ここから長野県側は同じ道とは思えない道路状況に 通る車もほとんど無い状態だが、気を引き締めて 下り始める。 以前のトラウマがあり最初は腕や肩が力んで、妙に ぎこちなかったが、途中からは割りと楽しみながら 下っていく事ができた。 |
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川上牧丘林道 |
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大弛峠を越えて長野県に入ると道は激変 未舗装の悪路が10km近く続く |
路肩の広場で休憩して握り飯を食べた |
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川上牧丘林道 | ![]() |
林道はこの渓流に沿って下っていく |
道端からこの崖を下りて渓流に出てみた |
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川上牧丘林道 | ![]() |
途中すれ違ったのはバイク2台と4輪1台だけ |
廻り目平キャンプ場への分岐点まで下りてきた この時期は石楠花が美しい |
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畑を覆うビニールが反射して雪のように見える 川上村は日本の高原野菜発祥の地なのだ |
廻り目平のシンボル窓岩 いつ見ても迫力がある |
廻り目平キャンプ場の近くまでくると路面も舗装されて傾斜も緩やかになる。 もう花の時期も終わりに近いが石楠花が白樺と良いコントラストをかもし出している。 やがて秩父からの中津川林道と海ノ口を結ぶ県道68号に出ると左に曲がり、工事中のダムを横目に千曲川の源流を下り 海ノ口から国道141号・佐久甲州街道へと出るのだが、川上村で道が平坦になったとたんにエンジン回転が急に落ちてしまった。 4月に秋葉街道を目指した時に発生したトラブルと同じ症状だ。 4000回転くらいまでしか上がらず、速度も60km程度から伸びない。 とにかくトルクがまるでなくスロットルを回しても全然加速しない。 一旦道端に停めて購入先のHホンダに電話して状況を話し、当面できることがないか相談してみた。 前回の修理時はガソリンコックの不良でガソリンが供給過多になってエンジンが燃焼不良になっていたので、もし同じ症状なら 一度ガソリンコックをオフにしてキャブ内のガスを空にしてから、再びコックをオンにしてみたらどうかとのアドバイスを試みるも 一向に改善しない。 国道141号を走りながら途中でプラグをチェックしてみるが、被り気味だが火は飛んでいるようだ。 初日の昼間に、しかもツーリングルートのほぼ一番遠い地点でのトラブルにかなり落ち込んでしまった。 またこの不調のマシンをだましだまし走らせながら帰らなくてはいけないのか。 ため息が出るよ。 そのまま引き返すか、とりあえず今日の予定地の草津まで行くか悩んだが、このまま帰っても草津を経由してもさほど距離は 変わらないし、今から宿をキャンセルしてもキャンセル料がかかってしまうので、心配ではあるが草津を目指すことにした。 佐久から軽井沢までは上り坂が続き、まさに気息奄々やっとの思い出走っていたのでツーリングの楽しさなどは全く感じる ことは出来なかった。 北軽井沢から長野原までは一気の下りだったので少しは走りが楽しめたが、そこから草津までは再び上りが連続。 途中で止まってしまったら再発進もままならないので、どんどんと追い越していく車をうらめしく眺めながら、まるで原付のような いやそれ以下のノロノロで道の駅まで辿り着いた。 追い越していく車から見れば大きな図体したバイクが何をノロノロ走っているのか、胡散臭い思いで見ていたかもしれないが 走っているこっちは必死なんだぞ! 道の駅の観光案内所で民宿の場所を教えてもらい、とにかく民宿を目指す。 草津の町は坂が多く目当ての民宿を通り過ぎてしまい坂を下ってしまい、引き返そうと思って坂を上ろうとしても、どうやっても 坂が登れない。 一速で全開にしても全然パワーがなく、かなりの急傾斜ではあったが全く登れないとは本当にショック! これで明日はちゃんと帰れるのだろうか? 暗澹たる思いで、大きく迂回して何とか民宿に辿り着いた。 さっそく宿泊手続きをしたら宿の人曰く「予約は明日になっていますよ」 へっ?? 何やってるんだろう・・・ 運良く一室空室があったので泊まる事はできたが散々の一日ではないか。 |
この民宿は珍しい事に全室無線LANが使えるので、それが決め手で(まあ値段が安かったのもあるが)予約した。 という訳で今回はノートパソコン持参で、宿で本日のレポートを詳細にblogに書こうと思っていたのに、もうその意欲も減退。 民宿の温泉に入って汗を流した後は、温泉街までぶらぶらと散歩に出かけた。 草津は主にスキーで何度も来ているが、それでも最後に来てから7,8年経っているだろうか。 結構久しぶりだ。 途中の酒屋で冷えた缶ビールを買って湯畑の前のベンチに座り、湯上りで乾いた喉を一気に潤す。 湯畑から滝のように流れる温泉を見ると、温泉は数有れどやはり草津は横綱クラスだと再認識する。 のんびりと歩きながら宿にもどり夕食タイム。 値段のわりに味もボリュームも満足できるものだった。 部屋に戻りデジカメのデータをPCに落とす。 気が付けばトラブルが発生してから一枚も写真を撮っていない。 いかに気落ちしていたかが良くわかるが、トラブルでも後々のネタのためにも写真を撮る心の余裕くらいは欲しいものだと、 おのれの器の小ささに再びため息が。 そして明日の帰路を思うと三度ため息が・・・ |
湯畑 | 見るからに熱そうだな |
世話になった民宿「美やま」 |
帰路は当然高速など使えないし激坂は避けなければならない。 幸い渋川までの道は下りがメイン。 そこから17号は比較的平坦な道が続くので何とか都内まで帰り着いたが、すれ違うツーリングライダーの楽しそうな走りを見て うらやましくて仕方なかった。 渋滞する環八をぐるっと回ってなんとか羽田のHホンダに到着。 症状を報告してバイクは即入院となり最後は電車で帰るという、なんともトホホのツーリングになってしまった。 もちろん2日目の写真も一枚も無し。 ちきしょう!絶対リベンジだ。 |
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