道東ツーリング 9月19日(月・祝) 霧のち晴れ夕方一時雨
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ライダーハウスは旅人の強い味方だが、自分の大きなイビキで周りに迷惑をかけることを気にして
ほんの2時間くらいしか眠れなかった。 やはり自分にはキャンプのほうが気楽で良い。 寝不足のまま朝を迎え、ならばと日の出を見に岬へ出かけることにして表に出たが、外は濃い霧が立ち込めている。 この霧が晴れない限り日の出を拝むことは期待薄だが、どうせ眠れないならわずかの可能性にかけようと出発した。 しかし霧はまったく晴れる気配はなく、視界は10mもあるかないかだ。 ゆっくりと走る自分を、うしろから来る車がビュンビュンと追い越していく。 ミルク色の中を走っているだけで周囲の風景など全然見えず、どんな場所を走っているのかも定かではない。 ヘルメットのシールドは曇り、メガネも曇りますます運転しにくい事この上ない。 なんとか岬に到着したが相変わらず濃い霧が立ちこめ、灯台からは頻繁に霧笛が鳴り響く。 霧で一体何処が岬の先端なのかもわからないまま、とりあえず灯台の先に行ってみる。 灯台から斜面を降りると荒々しい岩礁帯で座礁した船の残骸が横たわっていた。 (平成15年4月18日に座礁したロシア船) 岬には至るところに民族系の団体が建立した北方領土返還を呼びかける碑が点在する。 晴れていればすぐ目の前の水晶島が間近に見えて、北方領土の存在が一気に身近に感じられたのだろうが 残念なことに、この天気ではまったく見えない。 お母婆で同宿だった広島のライダーが来たので声をかけて、しばらく霧が晴れるのを期待して待ったが まったく霧は晴れず、本土最東端の碑の前は札幌ナンバーの車がずっと駐車していて記念写真も撮れない。 やむを得ず、別の看板の前でお互いに記念写真を撮り、日の出は見られなかったものの、日本一早い夜明けを 体験できた事に納得して納沙布岬をあとにした。 |
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帰り道も霧の水滴で曇る眼鏡に業を煮やし、眼鏡を外して走るとかえって良く見えるではないか。 私の裸眼は0.1以下の視力。 当然眼鏡無しでの走行など怖くて出来るものではないが、今は曇った眼鏡の限られた視界よりはよっぽどましだ。 はじめからコンタクトをしていけば、こんな苦労もしなくてすむし、もちろん今回の旅にもコンタクトは持ってきて いるのだが、悲しいことにコンタクトをすると老眼がもろに出て地図の文字などが全然読めなくなってしまう。 したがって普段はずっと眼鏡で通しているのだが、この時は完全な判断ミスだった。 気が付かないままライダーハウスも通り過ぎたが、そのままライダーハウスに引き返しても仕方が無いので 花咲港まで行って朝食を食べることにした。 どこまで行っても霧は晴れず、慎重に運転しながら7時半に港に到着。 ライダーの間で有名な大八食堂で食事するつもりだったが残念ながらまだ開店前。 その近くの蟹屋兼食堂が営業していたので、とりあえず土産用の蟹を物色。 世話になった青山モータースと、いつも仲間が集まる芝浦の店に送る花咲蟹を購入した。 そこの食堂でもう食事はできるか聞いたら、簡単なものならできるというのでカニ飯を注文。 カニ飯はあっさりとした味で、いまいち蟹の存在感が希薄だったが、蟹の鉄砲汁は濃厚な蟹の出汁がにじみ出て かなり満足した。 食事も終えて、港に停泊する漁船の写真を撮ってから引き返すと大八食堂は開店準備を始めていた。 8時開店だったのか! 残念、あと少し辛抱すれば食べられたのに・・・ 続いて花咲岬と、そこにある天然記念物の根室車石を見る。 まばらな人影の静かなたたずまいを見せる花咲灯台。 右側には長大な堤防に守られた花咲港が見える。 その灯台の下に整備された遊歩道があり、放射状の玄武岩による柱状節理、巨大な車輪を思わせる車石がある。 写真の石以外にも大小さまざまな柱状節理が見られ、ここも一見の価値ありだった。 |
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根室港にも立ち寄り、お母婆に戻る途中のダイソーで荷物固定用のゴムバンドとゴム手袋を購入。 実は持ってきた冬用の手袋は左右が別別。 気に入っている手袋の左側を去年落としてしまい、右側だけはそれを。 左は別の手袋を用意したつもりだったのだが、左を持ってきたつもりが間違って右を持ってきてしまった。 右が二つではどうしようもないので、雨が降った時は夏用の手袋の上にゴム手袋をしてしのごうという作戦。 ライダーハウスに戻ると半数ぐらいのライダーは出発したようだ。 エスカロップが食べられる時間にはまだ1時間ほどあるので、お母婆のまわりをブラブラと散策。 裏は海岸へと続く草地で、そこには戦前に作られたと思われるトーチカが2基残されており、ますます荒涼とした 雰囲気を感じさせる。 店が開店したので、お茶をいただきながらPCでBLOGのUPを行う。 そしていよいよエスカロップの登場。 バターライスに豚カツが乗り、その上からデミグラスソースがとろりとかかる。 一見いかにもしつこそうだが、食べてみるとそれほどでもない。 白いご飯にソースのかかった豚カツが一番だけど、たまに食べるには十分な美味しさ。 なにより付け合せのスープがいける。 ここのママさんは以前はラーメン店を経営していたとのことで、まさに上質なラーメンスープの美味さ。 満足して根室を出発したのは昼になってしまった。 |
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今日の行程は野付半島を見てから知床に向かう予定。 しかし出発が遅れたからどこまで行けるのやら。 昨日来た国道44号を戻り、道の駅「スワン44ねむろ」で風蓮湖をちょっと眺める。 海から離れていくにしたがって霧が晴れ、やがてすっかり青空が広がって快適なツーリング日和が戻ってきた。 厚床から国道243号で別海方面へと走るが、対向車もほとんどない交通量の少ない快適道路だ。 ところどころに広がる牧草地があまりにも気持ちよさそうなので、バイクを止めてちょっと昼寝をしてみた。 1本の形の良い木の下に横たわり空を見上げていると、鷲だか鷹だか大きな鳥が数羽ゆっくりと旋回している。 頭の脇をトンボがスーっと通り過ぎる。 走っているのも楽しいが、こうやってのんびりするのも悪くない。 とは言ってもあまりのんびりしていると日が暮れてしまいかねないので再出発。 |
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海岸に向かう国道244号へ針路変更し、穏やかな海沿いの道を北上しガソリンの残量が少ないのが気がかり ながら野付半島に突入した。 野付半島は根室海峡に細く突き出した砂嘴で、その形を地図で見ただけで一度は行ってみたいと思わせる 独特な地形をしている。 半島の付け根は細く、両側が海になっている直線的な道が半島先端に続いている。 半島の半ばにはミズナラに海水が浸食して立ち枯れたナラワラがある。 駐車場から遠目に眺めることしかできないが見ごたえのある光景で、手前に咲いていた花とのコンビネーションで 良い写真が撮れた。 さらに進むと立派な建物のネイチャーセンターがあり、ここからは遊歩道で往復一時間の徒歩となる。 歩くのが面倒な人には馬車もあるが、もちろんここは歩きます。 先端のトドワラまで途中は草原地帯で、様々な草花を見ながらすれ違うのがやっとの細い道を前の人たちに 連なって歩きます。 ここはかなりの人出で遊歩道もほとんど人が途切れずに、人の列が細く長く先まで続いています。 途中から湿原が始まり木製の遊歩道で湿原を回遊することができ、その先端でトドワラを間近に眺めることが できます。 トドワラはトドマツが立ち枯れたもので年々減少しているので、あと数十年後には見ることができなくなって しまう景色です。 湿原に所々横たわる枯れ木はまるで恐竜の骨のようで、多少歩くことなど苦にならない景観にかなりの枚数を 撮影しました。 その一部を下でご覧ください。 |
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野付半島からの帰り道、急に雲行きが怪しくなってきて、まるで龍のような雲が低く早い動きで半島を横切り、その 雲の下を通り過ぎたとたんに気温が下がり雨が降り出してきた。 半島を抜け標津に入っても雨は断続的に降り続き、徐々に走る気力も失せかけてきた。 途中にあるキャンプ場で今日は終わりにしようと入ってみたが8月で営業終了で閉鎖中。 気を取り直して何とか日没までに羅臼に到着するように走り続けた。 羅臼の道の駅「知床・らうす」に着いたときにはすでに日も暮れ始めていたが、もうキャンプ場はすぐそこ。 道の駅の売店で今夜のおかずを見繕っていると、蟹をばら売りしてくれると言うのでイバラ蟹の足を何本か買うことにした。 予算500円でと言ったら思いのほか多くの足(ほぼ一匹分)に、しかもミソを付けると美味しいからと蟹味噌の入った 甲羅に、わざわざ足の身を全てほぐして入れてくれるサービス振り。 それじゃ悪いからとイクラを買おうとしたら、だったらこっちの方が安くて美味しいからと320円のマスの筋子を 薦めてくれる。 結局1000円でお釣りが来て、蟹と筋子の豪華メニューになってしまった。 らうす深層館の「あべ商店」皆さんお勧めです! 知床峠に向かう道をすぐに左に入り山道を上がると羅臼町立林間キャンプ場。 この日は駐車場に車が一台止まっているだけ。 話しかけてみると訳あって半年くらいここで寝泊りしている年配の男性で、昔横浜に住んでいたこともあると言う。。 ワンボックス車の中に生活道具一式を揃えており、ちょっとテキ屋の親分みたいな風情。 サイトは林間で傾斜地が多いが駐車場の反対側にちょっとした広場があり東屋もある。 すぐ近くにバイクも止められるしそこが一等地だよという言葉に従い、その場所にテントを張ることにした。 草地のあちこちには動物の糞が落ちている。 これは鹿の糞ですか?と聞くと、そうだよここはエゾシカのサファリパーク状態だから鹿なんかウジャウジャいるよ という答え。 初めてエゾシカが見られる期待にワクワクしながら設営完了。 早速ご飯が炊き上がるまで蟹をつまみにビールを飲んでいると、一台のライダーが到着。 そのライダーも自分のテントのそばに設営したので蟹をおすそ分けしようと持っていったが、残念なことに蟹は 苦手だという。 |
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彼は最初、国立羅臼キャンプ場に行ったがあまりにも混んでいたのでこちらに来たと言っていた。
しばらく話し、テントに戻って食事を続けていると急に風が強まってきた。 そのうち彼がこちらのテントに来て風でバイクが倒れたと知らせてくれた。 止めていた向きが悪かったのか、強風でバイクが横倒しになっている。 慌てて起こすと右のミラーが真ん中にひびが入っている。 幸い割れはせずに視界も確保できているので一安心だが、思わぬアクシデントだ。 バイクを倒れないように柵の横に移動しテントに戻ったが、風はその後も勢いを増して時々テントがつぶれそうに なる。 張り綱もしっかりしているし、飛ばされる心配はないだろうと前室で食事を続けていると風に押しつぶされたテントの 生地がランタンに当たり生地に穴が開いてしまった。 さらにまだ熱いバーナーにも生地が当たり2個目の穴が開く始末。 とりあえず困ったときのガムテープ。 ガムテープで裏表から応急措置を施して、あとはテントの無事を祈って夜を過ごした。 |