道東ツーリング 9月10日(日)
出発地
千歳 ホテル・リッチモンド
到着地
旭川 西神楽キャンプ場
予報は午後から崩れ日本海側と道北は軒並み雨の予報。
当初は千歳から石狩に出て日本海側を北上する予定だったが、雨が降るのがわかっていてわざわざ
そちらに行く事も無いので比較的雨の可能性が少ない道東方面に予定を変更した(はずだった)
確かにその予定で紅葉山から日勝峠を越えて帯広に出るつもりで夕張方面に向かっていた。
夕張市内の手前で滝之上公園に立ち寄り、評価が微妙な千鳥ヶ滝を見て夕張メロンソフトを食べ
この日スタートして最初のブログ更新をする。
朝ホテルを出る時に降っていた雨はすでに止んでいて気温もかなり高い。
赤レンガが美しい滝之上発電所
大正14年に北炭が自家発電用を目的に建設し
現在も水力発電所として稼動している
千鳥ヶ滝
落差20mの段瀑で薄い板を重ね合わせたような
地層の上をその筋に沿うように流れ落ちている
公園のすぐ横を石勝線が通り滝之上駅がある
駐車場は日曜日だというのに閑散としていた
結局日勝峠を越えてもこの天気ではまったく眺望が望めないので、日高方面には向かわずに
夕張国道を北上。
ツーリングマップル(以下TM)に書いてある通り、ほとんど人家も無く、もちろんGSなど無い寂しい
国道。
しかし炭鉱が盛んだった頃はこの道路に沿って炭鉱がいくつもあり、かなり街も栄えていたそうだ。
鉄道も引かれ栄えた街は今や面影も無く、鹿島という街は今では廃墟マニアの間で話題になるような
ゴーストタウンと化してしまった。
街への入り口がわからなかったので、かつての市街地には入っていけなかったが、小学校跡地の
看板に惹かれ草むらを進むとそこには建物も無く、ただ広場があるだけだった。
何も見られなかった代わりに道端をうろうろするキタキツネを発見。
写真を撮ろうと近づくと逃げてしまい、離れるとまた姿を現したので、レンズを望遠に交換して遠くから
何枚か写しておいた。
観光客が車から投げた物を食べていたようだ
キタキツネはエキノコックスという寄生虫を
体内に持っている可能性が高く触れるのは
感染の恐れがあり危険である
夕張市から芦別市を結ぶ夕張国道はほとんど見るべきポイントも無いが、その中で三段滝は数少ない
観光ポイントで駐車場も整備されているので、10台ほどの車が停まっていた。
滝までは駐車場から続く遊歩道ですぐ到着。
確かに3段に流れる滝だが落差が無く、あまり感動するような滝ではなかった。
成り立ちは先ほどの千鳥が滝に似ているようだ。
芦別川にかかる高さ10mの段瀑
「北の国から’98時代」でロケに使われたそうだが
記憶に無いので特に強い感想を抱く事はなかった
滝の下流はゆるやかな流れになっている
戻ると駐車場には自衛隊の大きなトラックが何台も停まっていた。
北海道に来ると自衛隊の車をあちこちに見かける。
この近くでも旭川や富良野に大きな駐屯地がある。
自衛隊との距離感は内地とは違い、かなり身近な存在であるのだろう。
芦別市内に入ると道路脇に大規模な団地が見られるようになってきた。
このあたりも炭鉱で栄えた街で、その名残が見受けられる。
芦別は当初訪れる予定が無かった場所なので予備知識が全く無い。
さらに北の旭川を目指そうと素通りしようと思ったら、なにやら巨大な五重塔や観音像が
目に入った。
北海道に世界中の建物を模した怪しげなテーマパークがあるとは聞いていたが、ここ芦別に
その「北の京芦別」は有ったのか。
入る気は無かったが一応外側を走ってみる。
駐車場も閑散としているし、あまり客が入っているようには見えない。
地域おこしで企画した施設なのだろうが、私的にはまったく魅力を感じない。
民間施設なのか第3セクターなのかわからないが、金の使い方を間違っている気がしてならない。
すでにつぶれてしまった横浜ドリームランドを思い起こしてしまった。
道路わきに立ち並ぶ集合住宅
しかし寂れた感じは否めない
いかにもB級スポット「北の京芦別」
巨大な五重塔は横浜ドリームランドを思い起こす
空知川にかかる立派な斜張橋
後に調べたら星の降る里大橋という名前だそうだ
芦別からは旭川に向かう道道4号に進む。
交通量もほとんど無く快適に荷物満載のトランザルプは進んで行く。
なだらかな峠を越えると道の左側に丘陵地帯が広がっていた。
せっかくなので丘の上に行けそうな脇道に入ってみる。
丘といえば美瑛が有名だが、このあたりもなかなかどうして素晴らしいじゃないか。
広大な丘に広がる畑や牧草地。
耕運機で耕された畑は作物が無くても土の色がとても表情豊かだ。
牧草地では牛がのんびりと草を食んでいてカメラを構えた私を怪訝そうに見ている。
生憎の曇り空が残念だったが、青空の下で見たならばもっともっと素晴らしかっただろう。
道道4号に戻り、振り出しそうな雨を気にしながら旭川に向かう。
もっとも旭川で何かを見る予定があるわけでは無く、ここまでも何か成り行きで来ているのでこの先の
行き先も旭川に着いたら考えるつもりだった。
民家が点在し道が緩やかに右カーブしている場所を通過したときに、目の端にパトカーがちらりと見えた。
良くあるダミーだろうと気にせず走り去ると、バックミラーに映ったパトカーが屋根の赤色灯を点滅させ
ながら付いてくるよ。
「おいおいこっちはあんたに用は無いぞ」と思ったが、どうも先方はこちらに用があるようで、何か後ろから
呼んでいるようだ。
自慢じゃないが毎年長距離ツーリングに出かけて、もう10年以上無事故無違反でゴールド免許も2期目
を誇っていたのに、あ〜こんな所で・・・
パトカーのVIP席に案内されて青い切符を戴く。
「50km制限ですけど見えませんでしたか?」
見えませんでしたとも。
前後にまったく車がいない見晴らしの良いゆるやかなカーブ。
決して飛ばすつもりは無くても80km位は出てしまうよ、という心の声をぐっと抑えて差し出された「色紙」
にサインしてやった。
29kmオーバーでサイン会の会費は15000円だそうな。
おいおい利尻・礼文に渡るフェリー代が吹っ飛んだぞ!
それまでのウキウキ気分は一気にテンションだだ下がり。
おまけに雨も再び落ちてきた。
思わぬ時間も取られたし、もう走る気力はなくなってしまった。
近場でキャンプ場を見つけて今日は早々に寝てしまおう。
キャンプ場ガイドで目星を付けた西神楽キャンプ場は8月一杯で閉鎖していた。
あーあっ、今日は厄日だなとキャンプ場を見るとバイクが停まっておりテントが見える。
話を聞いてみると営業期間は終わってしまったが、ルールを守って自己責任でキャンプする分には黙認
されているようで、その旨は管理する人からもお許しが出ているらしい。
水道も電気も通じておりトイレも使える。
それならという事で早速設営を開始。
サイトは微妙に傾斜しているので平らな場所を見つけるのが難しいが、一応平坦であろう場所で雨を若干
でも防げればと木立の影に場所を決めた。
道路のそばなので、すぐ近くにバイクを停めて置けるのも安心だ。
設営を終えて買出しに出発。
国道沿いを旭川に戻ったところに大きなスーパーが有ったのを記憶していたので、そこまで
戻って本日の厄落としにと豪勢な鮭の筋子を購入した。
もっとも2腹で700円程度と内地では考えられない安さで、イクラの醤油漬けのタレも購入してイクラ三昧を
楽しもうと企てた。
キャンプ場に戻り早速筋子をほぐしタレに漬け込む。
半端じゃない量がある。
TW225乗りの大阪人Hさんと炊事棟の屋根の下で今日の違反の話をしたら、彼も渡道早々に函館で
一時停止違反で切符をもらったそうで、同病相哀れむですぐに意気投合。
到底一人では食べきれない量のイクラを半分分担してもらい、彼の炊いたご飯を分けてもらって豪勢なイクラ丼
をかきこんだ。
いやあ、うんまい!
昼間の事は忘れてすっかり盛り上がってしまった。
こぼれそうなイクラ ご飯とイクラの比率は5:5だぞ!!
そこにもう一人の湘南からのDF200ライダー、Tさんも帰ってきてさらに宴会は盛り上がる
Hさんは北海道を終えたらそのまま日本を一周する予定らしい。
Tさんも日本一周達成者だそうで、さすがにこの時期にキャンプするライダーは濃い人が多い。
明日からは天候も回復して、しばらくは晴天の下でツーリングを楽しめそうだ。
夜半近くまで続いた宴会が終わる頃には見上げた夜空に星が輝いていた。
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