秋葉街道リベンジツーリング

2006年5月31日〜6月3日

5月31日 晴れ 横浜市(自宅) − 長野県喬木村(矢筈公園キャンプ場)

高原見事!しかし勝ちたかった。
とW杯前のドイツとの親善試合をTVで見終わってからの出発で家を出たのが8時前。
アヴェニスで1回、トランザルプで1回、これまで秋葉街道を目指すたびにトラブルに見舞われて
未だに走破できていない”幻の秋葉街道”
仕事でつぶれてしまったGWの代休を使って今度こそリベンジだ。

東名横浜町田インターで静岡インターまで高速走行の予定だが、昨日ほとんど寝てないから眠い。
足柄SAで早くも最初の休憩。
日本坂PAでは眠さも限界でまたまたこいつのお世話に。


静岡インターを下りると藁科川に沿って国道362を北上。
本川根町から千頭を経て中川根町へと今度は大井川に沿って下る。
途中の峠の茶屋で会ったライダーの話では寸又峡方面は工事中で限られた時間のみ通行可能らしい。
彼は運悪く通行可能時間に数分遅れて、次の通行時間まで時間つぶしをしているとの事。


時間待ち中の黄色いTDM

山道はいつ通行規制があるかわからないのでリスクがある。
幸い私が進むルートは特に規制はないようだ。

中川根の道の駅「茶茗館」で北区から来たオフ車ライダーとしばし雑談。
北海道では珍しく無いが関東近辺でライダーの交流が持てると嬉しいものである。


まっき〜さんとは旅後もお互いのサイトを通じて交流が続いています。

休業中の道の駅の駐車場で持参したおにぎりを食べて昼食も終り。
さあ走りますか。
道はR362とR473の重複区間に入り、道は狭く限りなくコーナーが連続する山岳路になる。
時折現れる小さな集落とお茶畑以外は木しか見えない。
眺望も開けない道をひたすら進みそのまま行けば秋葉街道にぶつかるが、林道水窪森線で
山住峠を越えて秋葉街道に合流する事にした。
明神峡に沿って走る林道は紅葉の時期に来たらさぞや美しいだろうと思う渓谷の静かな道。
全線舗装はされているが道は狭く、急なカーブも多いのでのんびりと走る。

美しい渓流と深い山に囲われた水窪森線
川沿いの広場でしばし休憩

山住峠で天竜スーパー林道に交差するとしばらくして国道152号、通称秋葉街道に到達した。


山住峠からの眺望
秋葉街道は古来より信州と東海地方を結ぶ交通の要所ではあるが、中央構造線上に位置し
二つの異なる地質がぶつかり合う性質から斜面の崩落が多く、未だに未開通区間を残す国道
としても有名な道だ。
そして最初の難所「青崩峠」は崩落の連続に道路建設が進まず、徒歩でしか行けない峠。
峠手前からヒョー越峠を越えるヒョー越林道が迂回路になっている。
車がすれ違うのも難しい狭隘な峠道はまさに秘境の雰囲気が漂い、道の脇の木々を飛び移る
野生猿の姿も見かけた。
青崩峠に向かう道
途中で通行止めになる
上の道はヒョー越林道につながる草木トンネル(自動車専用道
将来は南遠三信自動車道になる予定らしいが、現在は
トンネルがあるのみで無料通行できる
兵越峠
これより長野県になる
秋葉街道はあるときは深い山を裂くような川に沿い、あるときは急峻な峠を縫うように、良くこんなところに
昔から道があったものだと感心するような経路をたどる。
秋葉街道から外れ矢筈山の麓の斜面のある飯田市上村下栗地区は日本のチロルと呼ばれている地帯。
興味があったので下栗村を目指して道を外れた。
舗装の跡はあっても道路の真ん中は草が茂り、軽自動車がやっとでは無いかと言う道を進み
村へ続くであろう坂を上っていった。
九十九折の坂の斜面に人家が必死で転がり落ちるのを踏ん張るように建っている。
よくこんな場所を生活の場としたものだと驚くばかりだが、もちろん好んでこのような場所に暮らし始めた
わけではなく、そうせざるを得ない時代背景があった訳で、人間の生活力に改めて感慨を覚える。

まさに山肌にへばりつくように家が建つ
標高は800mから1000mに達し、自動車の無い時代は
まさに外界と隔離された天空の里だっただろう

実は翌日しらびそ峠を訪れたときに、そちらからは比較的整備された道があることがわかった。
しかし道なき道を行ったからこそ感激もひとしおだったと思っておこう。
下栗をあとにした時には時間も16時半を回っていた。
そろそろ本日の寝場所を決めなければ。
ツーリングマップルによるとほど近い矢筈ダムにキャンプができる公園があるようだ。
秋葉街道から飯田方面に、やはり南遠三信自動車道の一部になる矢筈トンネルを抜けてすぐに
矢筈ダム公園はあった。
夏場以外は無料で使えるらしいがサイトらしきところは小さな橋を渡らなければならず、荷物の搬入が
面倒だ。
ダムへと向かう坂道の途中に少し開けていてトイレも水道もある場所があったので、そこを野宿場所
に決めた。
坂道でUターンをしようとしたらハンドルバッグがハンドルとタンクの間にひっかかり、ハンドルを切れないまま
立ちゴケしてしまった。
サイドバッグが多少衝撃を和らげてくれたがフロントブレーキレバーが見事な弧を描いて曲がってしまった。
幸い折れる事は無くブレーキもかけられるのでツーリング中止という最悪の事態は免れたが
恐るべしは秋葉街道。
なかなかすんなりとは制覇を許してはくれないようだ。

若干気落ちして近くの小さな商店でビールを買い込むと、手持ちのつまみを食べて料理も作らずに
寝てしまった。
大きく曲がってしまったブレーキレバー
単なる道端ですが何か?


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