1月5日(雪のち晴れ)

恐怖の雪中行
起きると案の定窓の外は銀世界。
路面の中央はともかく路肩は雪がすでに積もっていた。
とにかく朝食のおにぎりと味噌汁を食べて早々に出発。
何とか雪が止んでくれればいいのだが。
徳島に向かうにつれて雪が無くなることを願うのみ。

しかし期待もむなしく雪は降り続き、高松道も通行止め。
はなから高速を使う気は無いけれど、この状況は歓迎せざる事態だ。
国道11号は基本的には瀬戸内海に沿って走っているが、町から町の間は小さな峠を越える場所も
何個所かある。
そんな山間に入るととたんに積雪量が増して、滑らないようにクルマの轍を頼りに、路面の雪の無い
ラインを慎重に選んで走る。
右側の山間部から出てくる車は屋根に20cm位の雪を乗せている。

海岸部に出ると雪が少なくなりほっとするが、ほんの少し標高が上がるだけで一気に周りが白くなる。
そんな状況を繰り返しながら何とか鳴門市に到着。
山を一つ越えればいよいよ徳島市街だ、しかしその山越え(というか単なる丘なんだが)が
路面が凍結していて恐いのなんの。
何度もタイヤがズルズルと滑るたびに、転倒の恐怖を感じながら必死に立て直し、徳島市街に到着。
しかし、徳島はフェリー乗り場まで何度も川を越えねばならず、この橋が傾斜と路面凍結のダブルパンチで
最後の難関として立ちふさがった。

二度と経験したくない思いでへとへとになりながら、フェリー乗り場近くのコンビニでやっと一休み。
熱いコーヒーが冷え切った体を少し暖めてくれるのを「よくここまでたどり着いた」と、ため息を吐きながら
感じて最後の一走りを再開した。


コンビニの店内から 建物の屋根は雪で真っ白


出発時間を小一時間ほど残してフェリー乗り場に到着。
すでに雪は上がっていたが、港のあちこちにもまだ雪は積もっていた。


フェリー乗り場には、同じような恐怖を味わっただろうバイクも多数並んでいた。
正月休最後とあって、駐車場も待合室も人が溢れている。
後は船に乗り込めばとりあえず東京までは行ける。
東京まで着けば、最悪どこかでバイクを乗り捨てても何とかなる。
乗船手続きを終えて、いささか放心状態で出発を待った。




帰路は海上も穏やかで、デッキから雲海に沈む夕日を眺め、いろいろあった、そして
あっという間に過ぎていった、四国路の旅を思い返していた。

明日の朝からはもう仕事だ。
せめて今夜はしっかり寝たい所だが、船室は相変わらずすし詰めで寝返りもままならない。
幸い、行きと違って壁際の棚の横の場所だったので、頭を棚の中に突っ込むと
意外とスペースに余裕ができ、しっかりと眠ることができた。

目覚めると、フェリーは暗い海をすでに東京湾の中ほどまで進んでいた。
夜明け前の午前6時に有明客船ターミナルに到着。
フェリーから吐き出される車やバイクのテールランプは、思い思いの方向にこれから始まる
新年の生活目指し消えていった。

一時間弱で家に到着。
マジで疲れ果てた。
トラブルもあり、予定通りに行けなかった場所もあったが、初めての四国の地は大きな印象を
残してくれた。
またいつか・・・  きっといつか・・・  

北海道・九州・

いまだ未踏の地は多いが

きっと四国は再び訪れるだろう



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