奈良・大分・四国 年越しツーリング

12月30日(日)

第2章 世界文化遺産を巡る





天理からフェリーの出発港である大阪南港までは1時間足らず。
夕方6時過ぎに行けば良いので今日は一日奈良の寺院巡りだ。

宿泊したビジネス旅館やまべ 青空も見えているが微妙な空模様


まずは宿から一番近い斑鳩の法隆寺を目指す。
ナビの案内に従ったらいやに細い道を案内されて五重塔がある西院伽藍と夢殿がある東院伽藍の中間まで来てしまった。
駐車場は無かったが車が何台か停まっていたので、その脇に停めさせてもらうことにした。
まず夢殿に向かう。

拝観料は夢殿と本堂伽藍、宝物殿でそれぞれ別々なのだが併せて1000円。
寺院の拝観料としても破格の高さだ。
まあ世界最古の木造建築であるし、日本最初の世界文化遺産であれば止むを得ないのかな?
六角形の夢殿は日本武道館のデザインの基になった事が知られているが、初めて見た時は東京オリンピックが開催されて
からまだ4,5年の時期でもちろん武道館の方を先に見ていたので、何かいやに小さく感じた事を覚えている。

夢殿 天平時代 国宝
鐘楼 鎌倉時代 国宝

続いて西院伽藍に向かう。
中門をくぐると回廊に囲まれた境内に五重塔、金堂が並び、その奥に大講堂がある。
いずれも国宝だがやはり五重塔に目を惹かれる。
1400年も昔にここまでの造形美が造られた事には只々感嘆するしかない。
いつもなら修学旅行生で騒がしいのだろうが、年末のこの時期はそれが無いので静かに眺める事ができる。
金堂には釈迦三尊を始め幾つもの仏像が安置され、また宝蔵院には玉虫の厨子など歴史の教科書に必ず出てくる美術品が
多数陳列されて、そのほとんどが国宝か重要文化財なのだから、やはり歴史の重みが違う。

法隆寺の歴史や文化的価値をここで語っていてはツーレポは長大なものになってしまうので次に行こう。

法隆寺西院伽藍
夢殿から石畳の参道を歩いて
東大門をくぐって西院伽藍へ向かう
国宝の中門の奥に五重塔が見えてきた
中門の仁王像
金堂 国宝 飛鳥時代
五重塔 国宝 世界最古の木造建築
大講堂 国宝 平安時代

薬師寺に行く途中に法起寺があり708年に創建された日本最古の三重塔がある。
塔以外は江戸時代の再建であり、一時は相当寂れてしまったらしいが、今でも寂れた感は否めない。
法隆寺に比べると訪れる人も遙かに少ないが、逆にその静けさがこの塔には合っているような気がする。

法起寺

拝観料300円 駐車場は無し

708年創建の日本最古の三重塔 国宝
講堂は江戸時代の再建

朝食を食べていないので薬師寺に向かう途中で昼食を摂る店を物色していたら、良さそうな店があったので入ってみた。
セルフ方式で入り口でトレーを取り好きなおかずを載せて最後にレジで精算するシステムだ。
とんかつ、塩サバ、青菜のおひたし、きつねうどん(小)にご飯と随分欲張って載せたが、それでも873円だからリーズナブル。

ちょっと多かったかなと思ったが、結局あっさりと完食!
食べ終わってblogを更新するとちょうど12時で続々とお客さんが入ってきた。
奈良ではこのシステムの店をあちこちに見かける。

ひとつ残念だったのは「まいどおおきに食堂」と言いながら、店員の挨拶は標準語だった事だ。
せっかくなのだから「ありがとうございました」ではなく「まいどおおきに」と言ってくれれば旅心をもっとくすぐられたのにと思った。
まあ余所者の戯言ではあるが・・・

薬師寺は昔の姿とは大きく変わっていた。
中学時代は有名な東塔があるのみで西塔などの周囲の建物は礎石が残るのみだったが、鮮やかに再建されて立派な伽藍が
出来上がっていた。
モノトーンの東塔と色鮮やかな西塔が立ち並ぶ光景はその差が際立つが、創建当時は東塔も鮮やかな色彩に包まれていたの
だろう事が簡単に認識できる。
個人的には何もない中にポツンと塔が建っていた時の印象の方が強烈ではあったが。
薬師寺

拝観料 500円・駐車料 二輪 100円
金堂 昭和の再建
東塔 天平時代 国宝
再建された西塔と金堂
大講堂も昭和の再建

唐招提寺は有名な金堂が大改修中で見る事ができないのが非常に残念だった。
逆にいえばこんな光景を見る事も珍しいと自分に言い聞かせてその他の建築・仏像を見て回った。

*金堂大修理
平成12年(2000)より奈良県教育委員会の主導による10年を要する「金堂平成大修理事業」がはじまり、2009年秋に完成予定


唐招提寺

拝観料 600円・新宝蔵 100円・駐車料 二輪 100円

ガラス・鉄骨の向こうに改修中の金堂が見える
すっぽりと覆われてまるで工場のようだ
鼓楼 鎌倉時代 国宝
講堂 奈良時代 国宝
宝蔵 奈良時代の校倉造り建築 国宝

まだ時間があるので東大寺に行こう。
奈良市街の中心部を抜けて奈良公園に行くが適当な駐車場所がない。
公営の駐車場も二輪車を受け入れていない所が多い。
やっと興福寺脇の駐車場を見つけて100円払って駐輪する。

あちこちにいる鹿を眺めながら東大寺の南大門へ。
大人になってみてもやはり大きい。
両側の仁王像を見て中に入ると大仏殿がドーンと目に入る。
屋根の上の鴟尾だけが鮮やかな黄金に輝いている。
これも大改修によって新しくなったので、昔のイメージとはちょっと違う。
大仏はやはり大きかった(笑)

正倉院は午後3時で拝観時間が終了で見る事ができず、駐車場が4時半で閉まってしまうので戻る事にする。
興福寺の宝物殿を見学し、五重の塔の写真を撮って今回の奈良寺院巡りは終了。
ここからはまたナビに任せて大阪南港に向かう。


東大寺 拝観料 大仏殿 500円
興福寺 国宝館拝観料 500円
どこに行っても鹿だらけ
南大門 国宝 鎌倉時代
大仏殿 国宝 さすがにでかい!
銅造盧舎那仏坐像
通称は奈良の大仏さん

東大寺戒壇院は外から眺めただけ
興福寺 東金堂と五重塔 いずれも国宝

久しぶりの阪神高速の上から大阪城を眺め一年前の事を思い出す。
強い北風が高速の高架橋を走るトランザルプを揺さぶりハンドルが取られて怖くてたまらない。

予定通りの時間にフェリーターミナルに到着し、ターミナルビルの食堂でカツカレーを食べながら乗船開始を待つ。
昼もカツを食べたのに、どうもメタボ街道まっしぐらではないか(苦笑)

すっかり日が暮れたフェリー乗り場は寒い。
乗船が開始されると一番乗りでフェリーに案内された。

関西汽船のフェリーは予約時に2等寝台が満席だったため今回は一つ上の特2等だ。
二段ベッドでは無いこと、各ベッドにテレビが付いていることが特2等たる所以だろうが、なかなか快適な夜を過ごせそうだ。

気がかりは明日からの九州地方の天気予報が芳しくないこと。
降雪の可能性がかなり高いらしい。
九州上陸後、宿泊先の宇佐までの距離は知れているが積雪した道は走りたくない。
この時期雪は覚悟しなくてはならないだろうが、二度の九州が二度とも雪に迎えられるとは、雪を避けてコースを選定しているのに
皮肉なものだ。

静かな瀬戸内海を進む船は大きな揺れも無く、早々に寝付いてしまった。
この時期さすがにバイクは少ない
船内エントランス


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