トランザルプ購入1周年記念ツーリング


2007年4月14日

昨年4月16日に納車されたトランザルプは早くも1周年を迎えることになった。
そのトランザルプでの最初のツーリングは静岡県浜松市から天竜川を遡り長野県茅野市へ至る秋葉街道走破の旅だった。
もっともCDIトラブルによるエンジン片肺状態が発生し、やむなく途中で断念して引き揚げ、その後6月にリベンジを果たした
いわく付きのツーリングになったわけだが。

そんなこともあり、また都心部ではすでに散ってしまった桜が信州ではちょうど咲き誇る時期でもあるので、中央道を走り
伊那盆地へ向かうことにした。

宿泊は1月中旬の房総キャンプツーリング以来のキャンプ予定で、出発前に一応キャンプ予定地として無料である御座松
キャンプ場を候補に挙げておいた。

前日から夜半まで降り続いた雨は未明には上がり、出発の8時半には空はすっかり晴れ上がっていた。

サイドパニアとトップケースにキャンプ道具を詰め込み、さらにノートPCも持参。
タンクバッグには一眼レフと交換レンズ。
さらにシートにテントの入ったバッグをくくりつけ、相変わらず一泊とは思えない重装備で自宅を出発。

R1、横浜BP、保土ヶ谷BP、R16と通いなれたコースで橋本五差路から津久井湖方面に向かう。
途中津久井湖の手前から早くも渋滞が始り、その後相模湖を抜けてR20に合流し中央道相模湖インターに入るまで延々と
渋滞は続き、中央道に入った時点で時刻は11時になっていた。

高速は流れが順調で、雨上がりのため空気も澄み渡り垣間見える富士山の純白の姿がまぶしいくらいだ。

笹子トンネルを抜け勝沼市に入ると果樹園に咲き誇る桃の花が目に入る。
勝沼といえば葡萄のイメージが強いが、有名な桃の生産地でもある。
釈迦堂PAで休憩して併設の博物館へ至る階段を初めて上がってみた。

一般道に接した博物館の隣は桃畑になっており、一面にピンクや白の桃の花が広がって見事な鮮やかさを繰り広げている。
畑の中は入場自由なので、しばし散策して予定外の花見を楽しんだ。

今回のツーリングは走ることはもちろんだが、撮影旅行としての目的も兼ねている。
ブログの付属機能として始めたフォトアルバムが思ったより面白く、反応もあるので、それにアップする写真を撮りたいと思っている。

今までよりも人に見せることを意識した分、撮影方法にも多少の工夫が出てくるし、また欲も出てくる。
ここではいろいろな花の写真を接写を中心に撮ってみた。

再び中央道を走り双葉SAで再度休憩し、SA内の展望台で富士山や八ヶ岳南アルプスの山々の眺望を楽しんだ。
富士山はもちろんだが、やはり3000m級の山は頂上付近を銀白の雪が覆っていて青い空とのコントラストが美しい。

当初は茅野まで中央道を使い、そこからR152に入る予定だったが、遠望する八ヶ岳の写真を撮りたかったので長坂インターで
高速を出て、山麓の道をちょっと走ってみた。

道路脇にある満開の桜が、八ヶ岳を背に高原に訪れた春を静かに喜んでいるようで、目的なく走っていても実に楽しい。
まさにこの時期にしか味わえないものだ。

目についた大きな桜の木の下に行ってみる。
小さなお寺の境内に不釣り合いな桜の巨木が咲き誇り、見上げると空を桜の花が白いベールで半分隠している。

都会のビルを背にした桜とは違う雄大さが伝わってくる。
そしてそんな道端に停めたトランザルプが風景に溶け込んでいるように感じるのはオーナーの欲目だろうか(笑)


県道17号通称七里岩ラインは甲州街道と中央高速に挟まれるように通る道だ。
そのまま走れば小渕沢付近で甲州街道にぶつかるので、のんびりと走っていると「神田の大糸桜」の看板が目に入った。
興味を惹かれ看板が差し示す方に曲がっていく。

中央本線の踏切を渡ると大きな枝垂れ桜が田園の真ん中にぽつんと立っている。
かなり有名らしく多くの車が近くの駐車場に停まり、桜の周囲は通行止めになっているので、皆歩いて桜を見物に来る。

この桜は根周り8m、枝張り20m余りで樹齢400年のエドヒガンザクラの変種だそうだ。
山梨県の天然記念物に指定されている。

八ヶ岳連峰を背に幽玄な咲く桜を江戸時代の人も、明治の人も同じような気持で眺めていたのだろうか?
振り返れば富士山も見える絶好のロケーションだ。

すぐそばには水仙畑もあり、こちらも春の訪れを賑やかに歌い上げている。
ちょっと変わったアングルからの写真を撮るために寝転んだりして、周囲の観光客の奇異の目を浴びたりしたが気にしないさ。

R20に入るとすぐに道の駅「信州蔦木宿」がある。
もう時間は15時になってしまった。
考えてみれば昼飯もまだだった。
道の駅の蕎麦屋でもりそばを食べながらこれからの予定を考える。

これからR152に入り高遠までのいわゆる杖付街道と呼ばれる区間を走るのだが、桜の時期はかなり渋滞するらしい。
そこを抜けてしまえば順調だろうが、行ってみないと渋滞の程度も判らない。
とりあえず行ってみよう。

R20からR152に入った途端に反対車線は大渋滞が始まっていた。
花見帰りの渋滞がこんなところにまで発生しているのか。
前途多難だな。

峠からは諏訪盆地が一望
ここまでは道も空いていたが

そうは言ってもしばらくは順調だった。
しかし高遠が近付くにつれて車列が多くなり、やがて全く動かなくなってしまった。

狭い道幅に今回はサイドパニアを装着していることもあり、安易なすり抜けはできない。
ところどころ路肩が広がる場所では追い越しもできるものの大幅にスローダウンだ。

渋滞は駐車場の空き待ちで発生しているようで、どうせ動かないなら花見と洒落こむか。

駐車場に通じる道は通行止めなのだがバイクは通してくれたので、すんなりと駐車場に到着。
バイクの駐車料は100円だった。

昨年訪れた時はすでに桜の時期をとおに過ぎ、実に静かな雰囲気の公園だったが今日はすごい人出だ。
さすがに桜の名所として全国に名が通っているだけのことはある。

公園内に入るにも500円取られるのには驚いたが、公園内はすべて桜の木かと思うほど一帯すべてがピンクに染まっている。
静かさを望むべくもないが、まさに日本の花見という光景だ。

まあ一度は見ておいて損は無いが、もう土日に来るもんでは無いなあとも痛感した。
しかしここを目的で来たわけでは無かったのに、結果的にはちょうど満開の時期に訪れる事ができたのはラッキーだったと思う。

高遠城址公園を後にしたときにはすでに17時。
日が長くなってきたとはいえ日没の時間は迫ってきた。
初めてのキャンプ場を暗くなってから探すのは避けたいのだが・・・

R153を南下する間にどんどん日は暮れてくる。
駒ヶ根市はソースかつ丼発祥の地(諸説あるが)とアピールするほどソースかつ丼が名物なので、今回はそれを食べるのは楽しみ
だったのだが、残念ながらのんびりと食事をしている時間が無いのであきらめることにした。

最悪は道の駅泊かなと覚悟しながら、途中のコンビニで発泡酒とつまみを仕込み先を急ぐ。

目指すキャンプ場近くの道の駅に到着した時にはすでにあたりは薄暗くなっていた。
道の駅を偵察するが車中泊をする雰囲気の車が何台も駐車場に停まっているがライダーの姿はない。

仮に道の駅にテントを張るにしても、施設が完全に営業を終えてからでないと張れないので、とりあえず近くにあるはずのキャンプ場
を探しに行くことにした。
予定しているキャンプ場以外にもうひとつキャンプ場があるので、まずそちらから探したが案内看板もありすぐに目当ての千人塚
公園は見つけることができた。

公園内のはキャンプ場の受け付け棟もあり小型テント1000円の料金表もあったがすでに受付時間は終了、というよりもまだ営業
期間では無いのかもしれない。
まあそれは良いのだが肝心のサイトがどこだかがわからない。

トイレの裏で良さそうな場所があったが、どうもそこはマレットゴルフなるもののコースのようで、朝早くから人が来そうな感じがする
のでためらわれた。

当初の予定の御座松キャンプ場を探すことにして、再びトランザルプを走らせる。
川に沿った狭い道を登りなんとか見つけ出したキャンプ場は照明もなく真っ暗。
しかも貯水タンクの水は出ないしトイレは見当たらない。

よっぽど道の駅に戻ろうと思ったが、ここなられっきとしたキャンプ場なので誰に文句を言われることもないので、腹を据えて設営
することにした。
まわりに誰もいないのは不安といえば不安だが、安心といえば安心ともいえる。

テントを張るともうすることもない。
水が出ないので持参した500mlのペットボトルに3分の2ほど残る水での自炊は厳しい。

結局自炊はせずに弁当の残りのおかずとコンビニで買ったつまみを食べ、発泡酒を飲んで寝ることにした。

夜中12時ころに車の音がしてびっくりしたが、深夜に訪れたキャンパーだった。


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