北海道2007秋

9月20日(木)
トラブルの連鎖

夜半から降った雨はテントの底を一部濡らしてきた。
フライからグランドシートの上に入り込んだ雨水が浸水してしまったようだ。
このテントも3年間で50泊以上使用し、生地の防水性もかなり低下してきている。
しかも連日の雨でテントの乾燥ができず、かなり湿気を含んでいた。

浸水した部分はタオルで拭き取ったがマットや寝袋も部分的に濡れてしまい、不快で仕方がない。
今日は根室・釧路方面に行くつもりなのだが、朝からの浸水騒ぎでかなり出鼻をくじかれた。
徐々に天気は回復する予報ではあるが、見上げる空はまだ厚い雲に覆われている。

テントを乾かしてから撤収しないと、今夜はまた不快な気分で過ごさなくてはならない。
必然的に撤収時間は遅くなる。
というか早く出ようという気が端から無いが。

今夜はどこかビジネスホテルにでも早めに泊まってノンビリするかな。
そんな事が頭をよぎる。
キャンプする意欲が著しく低下し、楽をしたい気持ちが膨れ上がってくる。
旅の間に必ず訪れる感情だ。
いわゆる「心が折れる」という奴だが、今回は雨続きのためにどうも早めにやってきた。

まあ修行しているわけでも無いので、無理をしても仕方ないだろう。
のんびり楽に行こう!

テントの底はビショビショ
エアマットの下もかなり濡れてしまった
わずかに青空が覗いてはいるが
撤収準備中

のんびりと撤収準備をしていると、昨夜エゾシカと激突した沼津ナンバーのZ750ライダーが起きてきた。
心配だったが取りあえず起きて歩くことはできるようだ。
重症であれば羅臼町内の病院に行った方が良いと思ったが、本人の判断ではなんとかバイクで走行できるみたい。
富良野に友人がいるので、今日は富良野まで行って面倒みてもらうつもりだとの事。

破損したバイクのカウルの応急修理や荷造りを手伝い、お互いのアドレスを交換し、道中の無事を祈って見送った。
痛い痛しいZ750ライダー

翌日無事に富良野に到着したとメールがあった

いくらか青空がのぞき始めた空に期待しながら、自身の撤収は昼近くになってしまった。
サイトに乗り入れたバイクに荷物を積み込み、おもむろに駐車場へと下って行くと右のパニアケースがサイト入口の
木の柵に接触して転倒してしまった。
まったく車幅間隔を考えずに空身のような気分で柵の間をすり抜けようとしたケアレスミスだ。

転倒は仕方ないが、パッと見るとパニアケースを支えるウイングラックの右側が折れてしまっているではないか!
パニアケースを装着できないと、今後のツーリングに重大な支障がでてしまう。
思わぬトラブルに一瞬頭が真っ白になったが、なんとかしなくてはならない。

取りあえず気を落ち着かせて、持参したガムテープや針金で何とか応急修理を済ませた。
不安はあるが舗装路を走っている分には問題はないだろう。
しかし思わぬトラブルで出発時間は大幅に延びてしまった。

ポッキリ折れたウイングラック
何とか応急修理完了
左側の柵に引っかけた
これは事故の直前

もう今日はあまり走る気力もなくなったので、目的地を中標津あたりにして、まずは羅臼の道の駅でお土産を買う事にする。
蟹やらイクラやらホタテやら大量の土産品を昨夜世話になった道の駅の店で買いこんだ。
すべて友人宅や自宅に発送して知床に別れを告げる。

中標津までは1時間ちょっとで到着。
すっかり晴れた空に再びキャンプする気力が湧いて来たので、中標津緑ヶ丘森林公園のキャンプ場に早めにチェックイン。
すぐにテントや寝袋を引っ張り出して芝生の上に広げ、太陽に当てて乾燥させる。
ウエストバッグに入れてあるカロリーメイトを齧って今日の質素な昼食は終わりだ。

このキャンプ場は広い芝生のサイトと林間のバイク専用サイトがあり、バイク専用サイトだけは乗り入れがOKになっている。
サイトは腐葉土が効いた柔らかい土で、バイクは板を挟まないとサイドスタンドがめり込んでしまうが、クッションが効いている
ので寝心地は非常に良い。

このキャンプ場は有料(210円)だが低料金で40円のゴミ袋を買えばゴミも捨てられる。
市街地に近く買い物も便利な上、温泉も近いが広大な公園の中なので非常に静かだ。
気に入ったので連泊することにした。

ただいま乾燥中
バイク専用サイトは乗り入れOK

乾いたテントをバイク専用サイトに設営して、まだ日没までは時間があるので開陽台に行ってみることにした。
ライダーの聖地のひとつ「開陽台」は昨年訪れた多和平に劣らない展望だったが、とにかく展望台に虫が多くて閉口した。
顔や首筋やら肌の出ている所に無差別攻撃を仕掛けてくる。

とても落ち着いて景色を眺められるような状況では無いので早々に展望台を後にして、これまた撮影ポイントの道路
「北19号」で写真を撮りながら中標津市内に戻る。

スーパーで買い物を済ませ、近くの日帰り温泉でヌルヌルのお湯を楽しんだ。

サイトに戻ると数人のキャンパーがいたが今夜は交流無しでそのままテントに潜り込んだ。

 
この日の夕食は筋子を買ってきて自家製イクラ丼を作った。
塩水でほぐしタレに漬けこむとザル一杯のツヤツヤしたイクラ醤油漬けの出来上がり。
炊き込みご飯の上にイクラをたっぷりかけて特製イクラ丼完成。
これもこの時期の北海道ならではの楽しみだ。


開陽台
もう少し明るいうちに来れば良かった
虫(小蝿か蜂の子)の大群がウヨウヨ
望遠鏡にもびっしりと虫が・・・
走りながら撮ったのでちょいブレ気味
北19号
中標津空港


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