北海道ツーリング 2007

知床岬クルーズと相泊温泉

羅臼町立林間広場キャンプ場滞在

9月19日(水) 晴れのち曇り、夜から雨

ずいぶんと早くから目覚めてしまった。
いよいよ楽しみな知床岬クルーズだ。
一昨年にこのキャンプ場に滞在し、2日間ウトロに知床峠を越えて通ったのに二日間とも遊覧船は欠航し
泣く泣くあきらめて次のポイントへ移動しただけに、今回は何としても船に乗りこの目で知床岬を見たい!

世界遺産に指定された知床半島は、半島の半分は切り立った崖が続き岬へと続く道は羅臼側にもウトロ
側にも存在しない。
陸路で行ける限界は羅臼側は相泊集落まで。
ウトロ側はカムイワッカ湯の滝までしかない。

唯一、相泊から徒歩で断崖をよじ登り、波打ち際を潮の引いた時に渡りながら、ヒグマの巣である一帯を
歩いて行く事は可能ではあるが、通常片道で2泊3日の行程であり単独行はあまりにも危険なので、一般
人が知床岬を見るには船で行くしか無い。

知床の遊覧船は硫黄山の麓までで引き返すコースと、岬まで行くコースがあるが、前者は大型観光船で
2700円なのに対して後者は6000円と高く、所要時間も1時間半に対して3時間45分かかる。
さらに小型クルーザーを使った航路は岬までは8000円(3時間)とかなり高額になる。

なんか足元を見られているような気もするが、それしか方法が無いのだから仕方がない。
小型クルーザーの方がより岸に接近でき、特にヒグマが出現する可能性が高いこの時期はヒグマを見る
チャンスは小型クルーザーの方が高いので、迷わずそちらを選択した。

国後島から登る朝日は雲に邪魔されてはっきりとは見えないが、上空には青空が広がっている。
午前5時半の気温は9月中旬で10度だ。
30度以上の猛暑に慣れた体には温度以上に寒さを感じるが、その寒さが却って気持ち良い。
トースト2枚の朝食を済ませ7時にはキャンプ場を出発した。
実は時間を1時間早く勘違いしていたのだが。

早朝の知床横断道路はすれ違う車もほとんど無い。
昨日日帰り入浴したホテルの前でエゾシカが道端の草を食べている。
急カーブの続く坂を上がりどんどん標高を上げて行くと、やがて羅臼岳がその姿を現し始めた。
今朝は雲ひとつなく、山肌がくっきりと見える。

振り返ると海峡越しに長く横たわる国後島のシルエットが朝日に輝いている。
本当にここは絶景道路だ。
しばしバイクを止めてカメラを取り出し、今だけの光景を写し取る。

キャンプ場の朝
国後島の上を雲が流れる
やっと雨から解放された
気温は10度
羅臼岳がくっきり

羅臼岳の標高は1660m
知床半島の最高峰
根室海峡越しの国後島はカメラのフレームには
広角レンズでも収まらないほど大きい
国後島は沖縄本島より面積が広いが
その大きさが実感できる

峠を越えてウトロ側に入るとカーブも緩やかになり、やがて直線的な下りが続くとネイチャーセンターの前を
通過してウトロの市街地に出る。
こちらは羅臼と違って朝から観光客の姿が目立つ。

まだ8時過ぎたばっかりなのでちょっと早いかなと思い港をスルーして海岸方向に行くと、以前は無かった
大きな道の駅ができていた。
道の駅「うとろシリエトク」で今年の4月にできたばっかりだ。

駐車場にはキャンプングカーや道の駅で車中泊らしい車がたくさん停まっている。
トイレを済ませて時間もちょうど良いだろうと港に戻り、ゴジラ岩観光の前に行ったら岬コースの集合時間は
9時20分だという。
てっきり8時20分だと思っていたので、やっと1時間勘違いした事に気が付いた。

ここで待っていても仕方がないので、ちょっと走ってオシンコシンの滝でも見て来よう。
前回通行止めで行けなかった滝を上から眺められる道は通れるようになっているかな?

行ってみると、どうやら通行可能なようだ。
しかし国道の迂回路としての機能は失っているようで、まったく交通量は無く、鹿が道の中央でのんびりと
遊んでいる。
滝の真上の手前で簡単なバリケードがあり通行禁止の看板が出ていた。

取りあえずバイクは問題なくすり抜けられるので、行けるところまで行ってみよう。
すぐに滝が見える場所に来たが生い茂った木が邪魔して全容を見る事が出来ない。
それでも下から見上げる滝とはイメージが違うし、皆が見上げている所を一人見下ろしているのは気分が
良いものだ。

さらに進んで見たが国道との合流点には頑丈なゲートがあり通過は不可能だった。
特に通行に支障があるような路面崩壊などは無かったが、もうこの道は役割を終えて見捨てられてしまう
のだろうか?

上から見るオシンコシンの滝
この流れが滝になって落ちて行く
国道と滝への階段が見下ろせる
網走方面まで見渡せる



国道との合流点はゲートで閉鎖されていた

仕方がないので来た道を引き返し、ウトロ港に戻った。
今度はゴジラ岩観光の事務所の中は乗船客が何人も待っていた。
平日にも関わらず満員のようだ。

時間になり船着場までぞろぞろと歩いて船に向かう。
クルーザーと言っても40人ほどが乗れるのだから大きいほうだろう。
ライフジャケットを渡されて船に乗り込む。

特に座席の指定は無いので船室では無く船首右側のデッキに陣取る事にした。
ここならば往路は常に岸に接した側になるし、写真を撮るのに障害になるものも無い。
バイク用のジャケットを着ているので防寒対策もバッチリだ。

定刻の10時に船はいよいよ港を後に岬に向けて出港した。


知床岬クルーズに続く



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